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設計コンセプト
「見通しのきく」「開かれた」研究所
R&D及び開発/実験機能を有するこの研究所は、現在を「第二の創業」と位置づけている富士フイルムが、グループ全社横断的な先端研究、新規事業/新製品の基盤となるコア技術開発を担うべく、産・官・学と協働して新たな成長事業創出を目指し、企画・創設したものです。ホスピタリティとフェイス トゥ フェイスのコミュニケーションを重視し、「見通しのきく」「開かれた」研究所を目指しました。敷地は、「南部地区地区計画」として開成町より誘致を受け、また、「神奈川県産業集積促進方策『インベスト神奈川』の施設整備等助成事業」適用第1号案件として、後に続く53件(2007年12月10日現在)の同制度を活用した研究所・工場等建設のリーディングプロジェクトでもあります。
エントランスホールには、待合スペースや打合せスペースだけで無く、タッチゾーンやコラボ会議室、コラボ実験室を有しています。それらは、来訪者が心地よく迎えられ、セキュリティを確保しつつ、コミュニケーションを促すスペースとして機能し、目立たない、緩やかな敷居がある社内外の共用スペースとなります。この研究所には様々な研究部門が共存し、研究員が所属を越えて自由に行き来できる様、可能な限り間仕切りのないレイアウトとしています。自然光が降り注ぐ中庭に面し、実験室に連続する『ノード』は、都市計画用語から転用した「節・節点」の意であり、フェイス トゥ フェイスのコミュニケーションを重視した、開放的で見通しがきく打合せコーナー・多目的スペースであり、回廊の節々にてブリーフィングが可能な様配置されています。視覚・心理・体感として一体感を持たせつつ、コミュニケーションを促すスペースとして、エントランスホール・中庭・ノード・会議スペースを視覚・心理・体感として見通しのきくガラス素材を用い、ルーバー等視線を遮る物を排除しながら、目立たぬよう環境負荷低減・省エネルギー対策の効果が期待できる手法を選定しました。
【SHSR方式】
延べ面積58,653.17m2を、基本計画・基本設計・躯体鉄骨先行発注・実施設計及び積算・見積査定の設計期間として6ヶ月、地鎮祭から竣工までの外構・開発工事を含めた施工期間として1年、計1.5年という超短工期で実現させ、2006年4月に開所しました。上段のスケジュールは工事引合を前提とした、短縮施工工期のプロジェクトスケジュール、下段のスケジュールは、SHSR方式を採用したプロジェクトスケジュールです。本計画は、事業スケジュールがタイトなことと、鉄骨需要もひっ迫していたことにより、SHSR方式を基本設計時に採用し、設計から現場へと部材・コストが円滑に流れる道筋を確立しました。この方式の採用にて、約6.0ヶ月の工期短縮を図っております。また、土地取得〜造成に係わる開発スケジュールに関しては、企画段階から行政検査までの全工程で設計と監理との両面からのフォローを行っております。
【環境配慮】
Low-εガラス、屋上緑化、断熱フイルムの採用により、室内環境の向上と併せて空調負荷の低減を図りつつ、ターボ冷凍機、モーター、変圧器、照明器具等の高効率機器の採用をはじめとし、BEMS、熱源台数制御、照度制御等によりエネルギーの効率的利用を図り、水蓄熱の採用と、非常電源としてNAS電池を採用し、深夜電力利用による電力平準化にも寄与しつつ、CO2排出の低減を行っています。
外構は敷地周辺の緑地や川・遊歩道・ビオトープを取り込んだものとし、周辺環境との連携を図り、太陽光発電、昼光センサーによる自然光の利用、井水熱の冷却利用等、自然エネルギーの有効利用が可能な設備システムを構築しております。水質汚濁防止対策として、構内の排水は雨水を含め水質の監視を行い、異常検出の場合には構外排出を遮断し、非常槽への貯留が可能なシステムを構築しました。
実験排水については、排水処理プラントによる事前処理を行った上で下水道への放流を行っています。
実験室内の環境向上のため局所排気を積極的に行っています。化学物質の拡散防止策として、排気洗浄装置、化学物質吸着装置を設置し、排気気体中の化学物質を有効に除去しています。
建物概要
- 【建物名称】
- 富士フイルム先進研究所
- 【受賞】
- 平成18年度 第51回神奈川建築コンクール(一般建築物部門)奨励賞
- 【発注者】
- 富士フイルム(株)
- 【所在地】
- 神奈川県足柄上郡開成町
- 【用途・テーマ】
- 研究所
- 【構造・階数】
- 鉄骨造・6F
- 【延床面積】
- 58,653m2
- 【竣工年】
- 2006年
- 【備考】
- 撮影:アーバン・アーツ

