「機能」に呼応した高フレキシビリティ建築
大阪市立大学理系学舎
設計コンセプト
本プロジェクトは次世代を担う先端研究を最適な環境で行えるよう、老朽化していた大阪市立大学理系学舎の再整備計画です。プロジェクトは大きく2つのエリアで構成しています。北エリアは既存施設の解体撤去後新棟を建設、南エリアは既存施設を活かした耐震改修・機能改修を行いました。昭和3,40年代に建設された既存施設は水平庇を強調した建築であり、新棟はタイル・コンクリート・ガラスの素材を活かして柱や水平庇を強調し、調和を図りながら新たな表情を創りだしています。新旧織りなす建築群は創立135年を迎える大阪市立大学の伝統を紡ぎ、キャンパスに豊かな表情を与えています。実験室は常に先端研究を可能にするため、外壁側にテクニカルバルコニー・廊下側にウォールシャフトを設け独立したインフラルートを確保、外壁側逆梁・廊下側梁なしの構造フレームや小梁を無くしたハーフPCa版スラブを採用するなど、実験機器更新が容易にできるフレキシビリティの高い建築を実現しました。エントランスには吹抜やラウンジを設け、研究成果の展示や研究者・学生が憩い交流する場として、明るく快適な空間としました。理系学舎前には、大学創設当時から存在するケヤキ並木をリニューアルし、建築と一体となるオープンスペースを生みだし、学生が集い憩う新たなキャンパスの風景を創りだしています。
建物概要
発注者 | 大阪市立大学学舎等整備センター |
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所在地 | 大阪市住吉区 |
用 途 | 大学(研究・実験施設) |
構造・階数 | 鉄骨鉄筋コンクリート造 / 鉄筋コンクリート造 / 鉄骨造・7F/B1F |
延床面積 | 11,978 ㎡ |
竣工年 | 2015年 |