病院の歴史を次世代に継承

浅香山病院 一般科

設計コンセプト

浅香山病院は一般科223床のほか、既存の精神科(840床)や福祉施設などが道路を隔てて施設群として整備されています。大正11年の創立当時は香ヶ丘といわれる丘陵を切り開いて建設されていましたが、現在は周辺が住宅地に様変りしています。堺市の重要文化財に指定される白塔をはじめ、洋瓦の屋根と白壁のコントラスト、漆喰・タイル・レンガ・スチールなどのエクステリア、敷地内の豊富な緑地が個性的な風景として地域に根付いています。
本計画は病院の歴史を次世代に継承することを理念としています。地域に不可欠な病院としてサスティナビリティを高め、診療を提供し続けること、スタッフにとって働きやすく魅力のある病院であること、環境をさらに向上し住民に受け入れてもらえる病院であること、浅香山病院がアダプタブルな存在であり続けたいという様々な思いを具現化しています。耐震性の向上や急性期診療機能の再編が最重要課題とされていますが、一方で回復期・地域包括・緩和ケアなど在院日数が長い病棟のアメ二ティの向上も包括的な医療提供を目指す施設として注力されました。その一例として、多様な病棟があるがために生まれる屋上をルーフガーデンとしています。近隣の屋根の上に広がるランドスケープは四季の移ろいの中で患者を癒すとともに、医療スタッフやボランティアの維持管理参画などで地域との交流を促しています。
 

受賞

【2016】 第6回みどりのまちづくり賞(一般社団法人 ランドスケープコンサルタンツ協会関西支部長賞)
【2016】 平成28年度おおさか環境にやさしい建築賞
(商業施設その他部門賞)
【2017】 第5回CASBEE堺 建築環境賞(優秀賞)

建物概要

発注者 公益財団法人 浅香山病院
所在地 堺市
用 途 病院
構造・階数 鉄筋コンクリート造・6F / B1F
延床面積 17,477 ㎡
竣工年 2016年
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