地域の発展に寄与する大規模コンベンション施設

岡山県大規模総合展示場
コンベックス岡山

設計コンセプト

CONVEX岡山は,国際見本市も開催できる大展示場,コンサートやファッションショーなど様々なイベントに使用可能な多目的ホール,同時通訳設備をもつ,国際会議場等で構成され,中四国・九州で最大の面積をもつ総合的コンベンション施設です。吉備平野の緑の山あいの東西に伸びやかに広がる敷地に,センター棟,多目的ホール棟をリニア(線状)に配し,連続する多館方式の会場を構成しました。この配置により,①大自然に広がる建築群としてのリズム感と連続性のある風景を生みだすこと,②各棟の独立性と全体としての一体性を確保することにより,最近のコンベンション施設としての高い機能性を求めること,③緑の中にのびやかに広がる大規模建築としてのスケール感と空間の豊かさを求めることの三点を意図しました。県下の山あいに,静かなたたずまいを見せる武家屋敷や民家に見られる素材や造形,すなわち緑に映える白い壁,その白壁に落とす庇の色濃い影,三角屋根のつくるアクセント,当施設の造形は,このような県の風土と歴史のつちかってきた美しい素材と形を大切にして,伝統に立脚したかたちづくりをめざしました。反面,新しい施設,最先端の情報発信基地国際的な交流施設としての斬新性,独創性,シンボル性等を表現すべく,白壁に対比させたミラーガラスの壁面を構成する等,古き良きものの心を新しい素材と形によって表現することを試みました。高さ30mの三角形のガラス屋根でおおわれた交流広場は,当施設の最もシンボリックな場となっています。張弦梁工法により,透明感のある,光あふれる大空間をつくり出しています。また多目的ホールは,立体トラスで組まれたドーム状屋根をもち,岡山名産のマスカットをイメージした表情多彩な自由空間を意図しました。その他,インテリアスペースのデザインは,エクステリアにおける日本的デザインの流れに沿って腰壁を設ける等の原則を敷いてはいますが,用途の多様性に応じて,おのおのの場に個性的空間づくりを行うため,形,色,光等にエ夫を重ねています。

建物概要

発注者 岡山県
所在地 岡山県岡山市大内田池内
用 途 展示施設 / ホール / 国際会議場 / 駐車場 / コンベンションセンター
構造・階数 鉄骨鉄筋コンクリート造・3F
延床面積 15,449 ㎡
竣工年 1991年
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