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設計コンセプト
「地域に開かれた大学キャンパス」(Interactive Campus/ひとつ屋根の下)
このキャンパスの最大の特徴は、2列に平行に並ぶ建物に挟まれた『交流プラザ』とそこを覆う約10,000m2の大屋根です。ガラス張りのエレベーターシャフトや階段・ホワイエ・カフェ・アリーナ・実習室などが面し、さらには空中を横断する4本のブリッジ・随所にちりばめられたアートワーク・規則的に植えられた樹木によって演出されたこの半屋外空間は、通り抜け動線として日常的に開放されています。キャンパス内外の人々に憩いと親しみにあふれる場を提供し、コンセプトである“ひとつ屋根の下”を視覚化して、地域や県民に開かれたキャンパスの中心施設となることを目指しました。
【アクティビティの背景としてのデザイン】
大型タイルなどの白い素材、ガラスなどの透明感を基調としたデザインは、学生たちの活動や交流プラザを行き交う地域の人々の姿を浮かび上がらせます。大屋根に覆われた交流プラザや各所に設けられたコミュニケーションアルコーブ、ラウンジ、吹抜けなどが連鎖的に配置され、人々のアクティビティを互いに感じあうことで様々な交流が誘発されることを意図しています。
【Eco Campus】
自然環境との共生を図り、ライフサイクル全般での環境負荷を低減すると共に、自然エネルギーを配慮した計画としました。交流プラザを覆う大屋根は、日射を抑制し熱負荷の低減を図るとともに、雨水の中水利用システム、太陽光発電システム、風力発電システム、太陽光集熱パネルなどが設置され、建築と設備が融合した「エコロジカルルーフ」を形成しています。その他大屋根以外でも、屋上緑化、昼光連動制御照明、クール・ウォームピット、外気冷房空調、コージェネレーションシステム、氷蓄熱システムなどを採用し、環境負荷低減を図っています。
【太陽光発電・太陽熱利用・風力発電】
(太陽光発電)
太陽光発電は、光エネルギーを電気に変換する発電システムです。日射が強く電力需要の大きい夏の昼間によく発電すること、建物の屋根部分を有効利用できること、設置やメンテナンスが容易なことより一般家庭から産業用まで幅広く導入が進んでいます。神奈川県立保健福祉大学では、教育研究棟の屋上(エコロジカルルーフの上)に合計出力5.3kWの屋根材一体型太陽光パネルを設置し、商用電力と連系して建物内の電力に利用しています。
(太陽熱利用)
太陽のもつ大きなエネルギーを熱に変えて利用するシステムで、主に給湯や暖房への利用を行います。神奈川県立保健福祉大学では、教育研究棟の屋上(エコロジカルルーフの上)に集熱器を設置し、温水を循環させて実験実習室の給湯に利用しています。
(風力発電)
風力発電は、風の力で風車をまわし、その回転運動を電気エネルギーに変換する発電システムです。風は自然界に無尽蔵に存在することと、発電時にCO2や廃棄物を出さないクリーンエネルギーであることから期待の大きな発電システムです。神奈川県立保健福祉大学では、教育研究棟の屋上(エコロジカルルーフの上)に合計3.2kwの発電が可能なプロペラ式小型発電機を設置し、便所の照明と学生ラウンジコンセントの電力供給に利用しています。
建物概要
- 【建物名称】
- 神奈川県立保健福祉大学
- 【受賞】
- 第37回SDA賞 準優秀賞 A-2類 / 12回公共建築賞(優秀賞) / 第45回 建築業協会賞(BCS賞)
- 【発注者】
- エスピーシー・ピーエフアイ神奈川一(株)
- 【所在地】
- 神奈川県横須賀市平成町
- 【用途・テーマ】
- 大学 / 図書館 / 体育館
- 【構造・階数】
- 鉄筋コンクリート造 / 鉄骨造・6F
- 【延床面積】
- 41,861m2
- 【竣工年】
- 2003年
- 【備考】
- 撮影:(株)ナトリ光房(上・中左)



