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設計コンセプト
広島県北部に位置する三次市は、河川の合流により創られた肥沃な盆地を中心とした都市であります。塩町周辺はのどかな田園地帯であり、秋から春には霧の海となる風景をみせてくれます。敷地は山の豊かな緑に囲まれた丘の上に位置し、歴史的には勇免古墳群といわれる円墳が点在し、弥生式住居跡地を含め、悠々の時間を感じさせる場所でもあります。 本計画は交通の要衝となる三次盆地のまちと古代文化発祥の地にふさわしい塩町の歴史を継承した風景づくりを心がけ、周辺地域との景観・環境調和を進める「地形・歴史の継承、まちの風景となる学校、まちに開かれた学校」づくりを目指しました。
新校舎は山並みのスカイラインを崩さないボリュームで佇み、緑に溶け込む瓦葺きの切妻屋根のシルエットは、大きな「木の葉のイメージ」のフォルムを創出しています。グラウンドへは開放感あふれる大きなガラススクリーンとテラスで構成され、リズミカルな列柱と軒下空間が子ども達を優しく包み込むものとしました。水墨画の如く山々に対峙し、大きな屋根に表現されるフォルムは子ども達と地域の人々の心に残る風景となることが期待されます。
校舎棟の核となる「スクールストリート」は階段・吹抜など変化のある空間構成により、光がふりそそぎダイナミックな視界が広がる開放的な街路を形成しています。この街路に対し各学年毎のホームベイ及び教科教室をクラスター配置することにより、教科教室型授業に対応する新しい学校を目指しました。
【環境配慮】
『 三次市地球温暖化対策実行計画 』 とエコスクールの理念 『 やさしく造る/賢く・永く使う/教育に資する 』に基づき、環境を学び、自ら環境負荷低減を実践することが可能で、豊かな創造力を伸せる環境を目指しました。
■やさしく造る
シックスクール対策、エコマテリアル(環境負荷低減材料)の使用、断熱材の確保により省エネルギーを図ることはもちろんのこと、スクールストリート・風の塔・ハイサイドライトを通り抜ける「風のみち」で自然通風を促進しています。
■賢く・永く使う
省エネルギー・自然エネルギーの効率的使用
地中熱温度を利用した個別単独冷暖房を教科型教室に設置し、教室の使用率を配慮したシステムとしています。また空間が大きいオーディトリアムにも地中熱温度を利用した”床暖房”を設置し、地中深くに存在する自然エネルギーを最大限利用しています。その他には、井戸水はトイレの洗浄水や草木への散水、雨水はビオトープなどへの供給源、クールヒートチューブによる比較的浅い土中内温度熱も換気に利用しています。
■教育に資する
地中90m付近・井戸水・外気温度など、自然の温度状況をパネル表現し、日々変化する状況を目で確認し、自然環境との共生と省エネルギーを自らの手によって学習が出来、自然と向き合える環境としています。
建物概要
- 【建物名称】
- 三次市立塩町中学校
- 【発注者】
- 三次市
- 【所在地】
- 広島県三次市
- 【用途・テーマ】
- 中学校
- 【構造・階数】
- 鉄筋コンクリート造 / 鉄骨造・2F
- 【延床面積】
- 5,746m2
- 【竣工年】
- 2008年
- 【備考】
- 撮影:SS大阪



