旧校舎の一部をコンバージョンし各階接続
一体的に整備された新校舎
天理市立前栽小学校
設計コンセプト
創立140年を越える歴史のある前栽小学校は、児童数が900人に迫る大規模校です。当初、計画では工事期間が5年にもおよぶ全体建て替え計画でした。建て替えによる児童への負担を少しでも軽減するために、耐震性のある東校舎を残し、3学年分の教室として改修するとともに、新棟として管理部門・特別教室と3学年分の校舎を建てる計画としました。新棟は、中庭を囲んだ、ロの字型プランで回遊性を持たせ、2~4階の南面に各階1学年で普通教室を5室配置、バルコニーも設けました。普通教室には、オープンスペースや教師コーナー支援教室を近接し、新しい教育スタイルに対応しています。既存東校舎と各階で接続することで新旧の校舎を一体的に利用でき、バルコニーに設置した木風ルーバーと校舎の色合いにより新旧校舎の一体感を持たせています。東校舎を低学年用、新校舎を高学年用とし、新棟の3・4階には特別教室をまとめています。新棟1階には、管理諸室と地域の方も使用できる多目的室および和室を設け、地域開放を行い絆を深める交流の場としています。2階図書室は、PC室と一体的に整備し、奈良県十津川村産の木製家具を導入するなど県産材の利用も行いました。慣れ親しんだ東校舎と新しい新棟を一体的に利用して、こどもたちの笑顔あふれる新しい前栽小学校の歴史を刻んで行くことを願っています。
建物概要
発注者 | 天理市 |
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所在地 | 奈良県天理市 |
用 途 | 小学校 |
構造・階数 | 鉄筋コンクリート造・4F |
延床面積 | 5,703㎡ |
竣工年 | 2016年 |