高機能・長寿命の地域共生庁舎

広島法務総合庁舎

設計コンセプト

広島高等検察庁をはじめとする法務省の7官署が入居する総合庁舎です。広島市中心部の一団地の官公庁施設「基町団地」内の、広島城や広島藩主の庭園「縮景園」に近い位置に立地しています。前面道路は市内を巡る歩行者ネットワーク「文化の道」に指定されており、この道沿いに広島城や縮景園にもつながる緑地を設け、南と東の道路沿いにはオープンスペースを計画しました。周囲の建物に比して長大なスケールをもつ建物ボリュームを適宜分節し、法の秩序をイメージさせるともいえる垂直方向の律動感をもった外観デザインとしました。施設内においては、機能の異なる複数の官署に対する適切なゾーニングや動線確保に配慮するとともに、法務総合庁舎に求められるセキュリティやプライバシーに関する特殊な要求水準を満足することに留意しました。庇による開口部の日射遮蔽、ライトウェルなどを活用した自然採光・通風の促進、既存庁舎の地下躯体を駐車場として再利用する「ストック活用」などにより、環境負荷の低減を図っています。法務総合庁舎としての特殊な機能を満足しつつ、今後のさまざまな行政改革にも対応できる柔軟さを備えた庁舎としても計画しており、「長寿命庁舎」として活用され続けることを期待しています。

建物概要

発注者 国土交通省中国地方整備局
所在地 広島市中区
用 途 庁舎
構造・階数 鉄骨鉄筋コンクリート造 / 鉄骨造・12F/B1F
延床面積 32,186 ㎡
竣工年 2011年
備 考 撮影:アド・グラフィック
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