風と光と緑の学び舎

ピックアップ

甲南女子中学校・高等学校

設計コンセプト

中高一貫教育の名門私立女子校の新校舎です。90周年を迎えたこの甲南女子中学校・高等学校には2つの大きな特長があります。1つ目は恵まれた立地環境。神戸・六甲の豊かな自然の恵みに抱かれた標高75mの敷地からは、大阪平野から瀬戸内までパノラマで一望でき、さながら緑に抱かれた展望台にいるようです。そして2つ目は積み重ねてきた歴史。既存校舎群は、庭から茶室に至るまで、すべて村野藤吾氏の作品であり、40年以上経た今もなお、独特の風合いを醸しながら皆に愛されています。新校舎の計画にあたっては、これら2つの特長を最大限に活かし、甲南女子ならではの校舎づくりを目指しました。

受賞

【2012】平成24年 照明普及賞
【2014】第16回 人間サイズのまちづくり賞(奨励賞)

建物概要

発注者 学校法人 甲南女子学園
所在地 神戸市東灘区
用 途 中学校 / 高等学校
構造・階数 鉄筋コンクリート造 / 鉄骨鉄筋コンクリート造 / 鉄骨造・4F
延床面積 10,317 ㎡
竣工年 2012年
備 考 設計JV:双星設計
撮影:時空アート
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心象風景として記憶に残る学び舎

建物中央に3層吹き抜けの「光のアトリウム」を設け、それを取り巻くように教室を配置しました。六甲の自然の恵みを建物内部まで導き入れ、次代を担う生徒たちが、風・光・緑といった自然の中で、大いに学び、語らい、活動し、それぞれの心象風景としていつまでも記憶に残る学び舎づくりを目指しました。
「光のアトリウム」に集約した上下動線
大阪平野から瀬戸内までを望む立地環境

伝統と創造の学び舎

既存校舎への増築であるため、新校舎は村野作品との調和に配慮して、素材、色彩、意匠等を決定しました。さらに、新校舎から村野氏独特の造形美や庭を望める計画とすることで、甲南女子の長い伝統に対して、敬意を表した学び舎としています。
村野藤吾氏の庭を望む新校舎
新校舎外観

肌で感じられるエコスクール

「光のアトリウム」を通して自然通風・自然採光を促進する構成とし、屋上芝生広場を設ける等、学校生活を通じて、生徒が環境への取り組みを肌で感じられるエコスクールとしました。また、太陽光発電パネルで普通教室の照明用電力をまかない、さらに建物の照明を全てLED化する等、先駆的な取り組みを行っています。
六甲山を背景とした屋上芝生広場