研究者のクリエイティブな発想を促す空間づくり

上村工業株式会社 新中央研究所

設計コンセプト

上村工業株式会社は、1848(嘉永元)年に和漢薬の卸問屋として創業し、今や国内外に拠点を持つ表面処理業界のリーディングカンパニーです。今回の新中央研究所は、1968年にめっき業界において世界で初めて設立された旧中央研究所の建替えであり、計画にあたっては、最新鋭の研究設備を備えるとともに、研究者のクリエイティブな発想を促すような研究所を目指しました。旧研究所は、各部門がその実験環境の特殊性ゆえ、独立性を高めた個室で構成されていましたが、次代をリードする新技術創造のためには、各人のスペシャリティが相互貫入するような環境が必要と考えました。そこで、個別排気を完備した18台の大型実験台を一堂に配置したワンルームラボを提案し、2フロア実現しました。建物中央には「アトリウム(光庭)」を設け、エントランスホール、ミーティングスペース、リフレッシュコーナー、カフェコーナー等を配しました。また、アトリウムを上下階の移動空間としても活用することで、建物内部に立体的な回遊性を生み出しています。柔らかな自然光と緑に包まれたアトリウムを介して、研究者の視線が交錯し、触発され、そして新たな対話が生まれることで、より一層知的生産性が高まることを期待しています。

受賞

【2014】 平成25年 照明普及賞
【2014】 第13回読者と選ぶ「建築と社会」賞
【2014】 日経ニューオフィス賞「近畿経済産業局長賞」
【2015】 平成26年度「大阪サステナブル建築賞(大阪建築環境配慮賞)大阪府知事賞」

建物概要

発注者 上村工業株式会社
所在地 大阪府枚方市
用 途 研究所
構造・階数 鉄骨鉄筋コンクリート造 / 鉄骨造 / 免震構造・4F
延床面積 6,030 ㎡
竣工年 2012年
備 考 CASBEE(大阪府)「Sランク」
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