Cross Laminated Timber  - 日本初CLT 体感空間-

ピックアップ

真庭市役所前バス待合所

設計コンセプト

「小スペース・地域性・短期施工」が求められた本計画では、CLT が最適でした。敷地は、市庁舎玄関口にある大きな回廊の軒下2×4m 程のスペースです。地域産ヒノキを使用した、厚さ30mm のひき板を直交させて重ねた5 層150mm のCLT 屋根を、4 層120mm のCLT 壁で支える。幅が1m 程のCLT 壁4 枚に支えられた大屋根により、小スケールながらも、大きな開放感を生み出します。その柔らかな量塊性は、木の魅力のひとつです。そこで、集成材とは違ったCLT 材独特の断面を意匠のポイントとして扱い、壁や軒下にその現しを見ることができます。地元企業と協同し、建て方が3時間というCLT ならではの施工期間で、市庁舎前に新しい風景をつくりだしました。

受賞

【2015】 第18回木材活用コンクール
一般社団法人 全国木材組合連合会会長賞

建物概要

発注者 真庭市
所在地 岡山県真庭市
用 途 交通施設
構造・階数 CLT 造・1F
延床面積 8㎡
竣工年 2014年
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CLT 工法による日本初の待合所

CLT の現しが体感できる日本初のバス待合所です。CLT とは、板材を直交するように重ねて接着させる「クロス・ラミネーテッド・ティンバー(直交集成材)」のことで、厚みのあるパネルを製作することができ、耐震性や断熱性、遮音性に優れています。また、重さが鉄筋コンクリートの6分の1と軽量で、工場でカットし、現場ではボルト類で組み立てるため、短期施工が可能となります。様々な等級の木材を使っても十分な強度を得られるため、木材を無駄なく使用でき、森林資源の循環利用を促すこととなります。今後、鉄筋コンクリートに代わる高層建築向けの構造材・工法として期待されているものの、日本においては材料認定の段階であり、CLT 構造を現しにした実例はありませんでした。
バス待合所(夜景)
バス待合所(夜景)