社会に貢献する3つの方 針POLICY

方針01 POLICY持続可能なまちづくり

大規模木造/都市緑化

長門市庁舎

設計コンセプト

「市民の安全・安心の拠点として、利用しやすく親しみのある庁舎」を基本理念に、市の林業振興に繋がり、長門市を全国に発信することを目指し取り組んだプロジェクトです。5階建て7,000㎡超の木造庁舎の実現にあたり、約2,300㎡の長門市産材を適材適所に活用した「木造+RC造のハイブリッド構造(免震構造)」や、木+RCの合成梁による12mのロングスパン架構、木架構現しの5層吹抜け空間(エコボイド)などの採用により、機能性・安全性・柔軟性を兼ね備えた木造庁舎を実現することで、地方自治体における公共建築等の木造化をけん引する「積層型大規模木造のモデルプロジェクト」となることを目指しました。

設計室
下田 康晴

設計コンセプト

構造計画として基礎免震を採用し、平面形の両側をRC造、中央部を木造としている。RC造部分は耐震壁付きラーメン架構とし、すべての水平力を負担させている。
木造部分は軸力のみを負担するため、柱断面を小さくすることが出来、12mの梁間方向は集成材梁+穴あきPC版+現場打ちRCスラブの合成梁とすることで変形を抑え、集成材梁を小さくすることが出来た。また、PC版を採用することで、工期短縮にも寄与している。

構造設計室
山田 貴大

設計コンセプト

本物件は「木造+RC造のハイブリッド構造(免震構造)」という事もあり、柱・梁、木造とRC部分の取り合いなど、高い施工精度を求められたため、施工図や製品検査、建て方計画の確認・打合せを入念に行った。また施工時には躯体がそのまま仕上げとなる木構造部材の傷・汚れ防止のための仮設の方法や、養生方法にも細心の注意を払って施工を行うことで、木架構現しによる開放的な木造空間を実現させることが出来た。

監理室
樫原 雅民

設計概要

発注者
長門市
所在地
山口県長門市
用途
庁舎
構造・階数
木造+鉄骨鉄筋コンクリート造の混構造 一部鉄骨造(免震構造)・5F
延床面積
7,202㎡
竣工年
2020年
備考
設計JV:東畑建築事務所・藤田建築設計事務所・M.DESIGN ASSOCIATES一級建築士事務所 設計共同企業体

受賞

  • 【2020】2019年 照明普及賞
  • 【2020】第23回木材活用コンクール(木材活用賞)
  • 【2020】令和2年度木材利用優良施設コンクール(木材利用推進中央協議会会長賞)
  • 【2020】ウッドデザイン賞2020(入賞)

魚津市立星の杜小学校

設計コンセプト

文部科学省による「木の学校づくり先導事業」による支援を受け、建築基準法の一部を改正する法律(平成27 年6 月4 日公布)、法第21 条及び27 条をふまえた全国初のオール木造3階建て校舎です。①「全国の木造3階建て校舎のプロトタイプを目指すこと」②「地域産木材を適材適所使用し森への還元を目指すこと」③「多層木造でも実現できる良質な学習環境を目指すこと」④「木造校舎を教材とした木育を根付かせること」を目標に掲げ、防耐火・木構造・音環境・温熱環境・木材調達・木育、各分野の課題解決も合わせて設計を進めました。設計・施工段階では竣工後も見据え、地域住民・教職員・児童を対象に木育教育につながるワークショップを行い、児童の校舎への愛着を育みながら進めました。

設計室
久保 久志

設計コンセプト

多くの地域材を使いながら、木造3階建て校舎のプロトタイプを目指すため、既存の技術と生産システムの中で実現可能な工期とコストを抑えた無理のない構造計画にチャレンジしました。架構形式は在来軸組工法を基本とし、スパンや荷重条件に応じ、束ね柱・束ね梁を用いることで、地域材で調達可能な樹種・区分・寸法による構造用製材又は中断面集成材の有効利用を実現しています。

構造設計室
中牟田 昌慶

設計概要

発注者
魚津市
所在地
富山県魚津市
用途
小学校
構造・階数
木造・3F
延床面積
4884㎡
竣工年
2020年
備考
延床面積に既設建物は含まず

受賞

  • 【2023】第17回木の建築賞(選考委員特別賞・メンバーズチョイス賞)
  • 【2021】ウッドデザイン賞2021 ハートフルデザイン部門(入賞)
  • 【2021】2020年度第16回こども環境学会賞(活動賞)
  • 【2021】令和2年度 とやま県産材建築物コンクール(最優秀賞)
  • 【2020】第54回 日本サインデザイン賞 入選
  • 【2020】令和2年度 木材利用優良施設コンクール(国土交通大臣賞)
  • 【2020】第14回 キッズデザイン賞
    子どもたちの創造性と未来を拓くデザインクリエイティブ部門 優秀賞(経済産業大臣賞)
  • 【2020】JIAゴールデンキューブ賞 2019/2020 特別賞

落合総合センター

設計コンセプト

本施設は、既存体育館を活かしながら、市役所支所・保健センター・公民館・図書館といった市民サービス機能を統合したものです。メインファサードは、210mm角の一般製材を4本束ねた列柱によって大庇を支える、深い陰影のある構成とし、地域交流の拠点に相応しい親しみやすい表情を目指しました。内部空間では、一般製材とエンジアリングウッドを、その特性を生かすよう組み合わせ、力強い架構と繊細なルーバーによる、木に包まれた空間となっています。建物中央に設けたハイサイドライトから柔らかな自然光が注ぐ2層吹き抜けの中央ロビー「おちあいの杜」が、各交流機能を優しく繋ぎとめています。

設計室
平野 尉仁

設計コンセプト

構造形式は、ホール部分が、RC+SRC+S造、エントランス、図書館等の部分を真庭市産材を使用した木造としています。木造部分は、2階建てで、柱梁接合部は張間方向、桁行方向の両方向をラグスクリューボルトによる半剛接接合としたラーメン構造(一部、耐力壁付き)としており、一般的な木造に比べ耐力壁が少なく、RC造やS造並みのスパン割とした純木造架構を実現しています。

構造設計室
松村 健

設計コンセプト

地域林業で排出される木質バイオマス(チップ)を主燃料とした「バイオマス熱源システム」を採用し、さらには太陽熱も利用した地産地消のエネルギーシステムを構築しました。生成した温水を暖房時は直接利用し、冷房時は排熱投入型吸収式冷凍機にて冷水に変換して空調を行います。また、床吹出し空調および床輻射空調を採用し、天井面の器具を最小限とすることで、地域産材をふんだんに利用した天井仕上を実現しました。

設備設計室
安井 さおり

設計概要

発注者
真庭市
所在地
岡山県真庭市
用途
公民館・市役所支所
構造・階数
木造 / 2F・鉄筋コンクリート造 / 3F
延床面積
4,741㎡
竣工年
2016年

受賞

  • 【2021】第17回公共建築賞(国土交通大臣表彰 行政施設部門)
  • 【2017】第20回木材活用コンクール(第1部門賞)
  • 【2016】木材利用優良施設表彰(農林水産大臣賞)

警視庁大塚警察署

設計コンセプト

24時間体制で公共の安全と秩序の維持に当たる警察署として、また災害時の防災拠点として機能を発揮するため、環境配慮、住民サービスの向上など「街の安全・安心と警察への親しみやすさ」を実現した庁舎として建替えを行ったものです。ファサードのダブルスキンは、夏期は温度差換気による冷房負荷の低減、冬期は温室効果による暖房負荷の低減を図っています。壁面緑化は街並みに潤いを与え、都市のヒートアイランド防止にも寄与します。住民サービス提供の場として、人々が気軽に立ち寄ることができるようアクセスしやすい計画ととともに、警察職員の職務遂行においては各課が相互に連携し、業務を円滑に行える施設計画としました。

設計室
北川 寛之

設計コンセプト

警察署の施設機能維持のために非常用発電機を設置し、災害、停電時において施設の重要な機能を継続利用可能とする発電機回路を確保するとともに、災害時断水対策として、飲料水は受水タンクに地震感知緊急遮断弁を設置、雑用水(便所洗浄水)は地下ピットを利用し貯留しています。また、環境配慮・省エネルギー対策として、高効率蛍光灯、LED照明、照明制御システム(昼光・人感センサー等)、太陽光発電装置を採用しています。

設備設計室
飛松 徹

設計概要

発注者
東京都
所在地
東京都文京区
用途
警察署 / 単身寮
構造・階数
鉄骨造 / 鉄骨鉄筋コンクリート造 / 鉄筋コンクリート造・10F / B2F
延床面積
12,444㎡
竣工年
2016年

宝塚市立文化芸術センター

設計コンセプト

施設はギャラリー・ライブラリー機能の「文化芸術施設」と、開放的な自然に触れる「庭園・広場」で構成され、ここでは植物園や遊園地・庭園として長く市民に受け継がれてきた場所の、緑豊かな「風景の記憶」や市民の笑顔あふれる「賑わいの記憶」とともに、子どもたちや家族の「笑顔あふれる場」の継承を目指しました。高低差のある敷地形状や隣接施設との関係を生かすとともに、建物と庭園の視覚的なつながりを生み出す大らかな配置平面計画と断面デザインで、屋内外にひろがる市民の新たな活動シーンを、利用者それぞれの感性で感じ合いながら立体的に回遊し、新たな活動意欲を刺激する空間構成としています。

設計室
安岡 寛治

設計コンセプト

構造設計上難しかった点は平面的には断面的にも不整形の丘状屋根スラブを支持する鉄骨梁の設計でした。屋根スラブの任意形状を支える鉄骨梁は製作性と費用対効果を考慮し、直線の梁に複数の折点を設けることで屋根形状に追従させる設計としています。ただし鉄骨梁が直接見える大屋根広場の屋根架構は意匠性に配慮しアーチ梁としています。この部分は3Dモデルで決定した屋根形状を元に、多くの断面詳細図を作成し形状を決定しています。

構造設計室
吉村 拓也

設計コンセプト

公共工事では各行政にて定められている基準に基づき、図面を元に積算した数量に各種単価を掛け合わせて予定価格を算出し、その金額を予算内に収める必要があります。この施設は各部に曲面など不整形部分が多く採用されており、基本設計段階から細やかなコストコントロールを行いました。特徴のある形状をした建物の工事費算出は難しい反面、コスト計画室の腕の見せ所というところもあります。

コスト計画室
土坂 一平

設計概要

発注者
宝塚市
所在地
兵庫県宝塚市
用途
文化施設、美術館、文化芸術施設(美術館)
構造・階数
鉄骨造・2F
延床面積
2,400.00㎡
竣工年
2019年(施設オープン2020年)
備考
設計JV

方針02POLICY協業による創造

様々なワークショップ/産学連携

土岐市庁舎

設計コンセプト

公募型プロポーザルにより、街のコンテクストから将来像までを描いた私たちが選定され、計画から基本設計、実施設計、開庁に至るまで、一貫してコーディネートしました。計画では、旧庁舎が抱える問題を解決するのみならず、これからの人口減少、少子高齢化社会を見据え、今を生きる私たちから次世代へのメッセージとなる庁舎づくりを実践しました。設計段階では、市民ワークショップを開催し、市民と職員がとともに庁舎や街の将来像を考え、施工段階では、地域の英知・技術を使い、地域の資源でつくる地産地創の庁舎づくりを行っています。開庁後の現在も、市民によるまちづくりワークショップが継続し、自発的な市民活動が続いています。

設計室
高木 耕一

設計コンセプト

外観は、深い軒を持つ大きな甍屋根とバルコニーがつくる陰影が特徴で、土岐川に沿って吹く東西の風を掴む木製フィンが、ファサードに表情を与えています。これらは、土岐特有の気候風土から生まれ、意匠・構造・設備のコラボレーションによって成し得たかたちです。執務空間は、フラットスラブとスパンごとに個別制御できる床滲みだし空調を合わせることで3.6mの高さを確保した無天井としています。

設計室
花村 和也

設計コンセプト

大地震後の機能維持のため、耐震安全性Ⅰ類の耐震構造の建物としています。執務空間は、見通しのよさに配慮して最大16.8mのロングスパンとし、梁をプレストレストRC造とすることで、たわみやひび割れを抑制しています。床組は大梁間にハーフPC床版を掛け、小梁を設けない計画とし、階高の確保と施工の省力化を図りました。勾配屋根は、小屋組を鉄骨造とすることで軽量化を図り、最大5.5mの大きな軒を実現しています。

構造設計室
中牟田 昌慶

設計概要

発注者
土岐市
所在地
岐阜県土岐市
用途
庁舎
構造・階数
鉄筋コンクリート造一部鉄骨造・3F
延床面積
10,468㎡
竣工年
2020年
備考
延床面積に既設建物は含まず

受賞

  • 日本建築学会東海賞

大学研究室との協働

新しい局面の構造的解決の模索

2025年大阪・関西万博、大阪ヘルスケアパビリオンの計画に際し、その初期段階から大学とその研究室の皆様のご指導とご協力をいただきプロジェクトを進めて行きました。とくに複雑な曲面で構成される特徴的な屋根をいかに実現していくか、屋根を構成する円識面と称する新しい曲面の生成手法、ガラス平面の組合せで構成するための曲面分割方法の模索など、非常に困難で高度な知見を要する問題の解決に向けて議論が行われました。

構造設計室
太田原 克則

感染症時代の空調のあり方検証

感染症対策が課題となっている昨今、当社で採用事例の多い床染み出し空調に関する指摘を契機とし、大学・他社研究機関との共同にて安全性の検証を行いました。その結果、床染み出し空調は微粒子の舞い上がりも少なく、室内空気清浄度の高い空調方式であることが示されました。また、特定の空調方式に関わらず学術・実務双方からの知見を通じ、より安心・安全な室内空気環境を実現すべく、情報交換会を実施しています。今後も上記のような情報交換や共同研究により、産学連携を強化していく方針です。

設備設計室
安井 さおり

敦賀市立角鹿小中学校

設計コンセプト

令和3 年度に開校した角鹿小中学校は3小1中を統合した福井県初の公立小中一貫校です。設計者と行政だけではなく、地域住民や教職員、児童生徒といった利用者とワークショップを重ね、この地区の学校がどのようにあるべきか、小中一貫校の利点を生かした計画とはどのようなものかを検討し、教育と建築の両面から考えた敦賀市ならではの「施設一体型の小中一貫校」の実現を目指しました。施設一体型の小中一貫校を具現化するためのポイントとして、①9年間の成長段階に合わせた学習/生活環境づくり、②児童生徒の日常的な交流を促す空間づくり、③小中を横断した施設運営のしやすい施設づくり、を大切にしました。

設計室
久保 久志

設計コンセプト

構造は純ラーメン形式の鉄筋コンクリート造を採用し、将来の児童生徒数の減少等による計画変更に対応できるようフレキシビリティを高めています。重要度係数は1.25(Ⅱ類建物)とし、耐震性を高めています。良好な温熱環境をつくるための中庭が各ゾーンの繋がりを分断しないように構造躯体はなるべく存在感を出さないよう配慮しました。さらに、中庭の屋根は鉄骨トラス屋根とすることでより軽快な印象を与えることに寄与しています。

構造設計室
中牟田 昌慶

設計概要

発注者
敦賀市
所在地
福井県敦賀市
用途
小学校 / 中学校
構造・階数
鉄筋コンクリート造一部鉄骨造・3F
延床面積
7,720㎡
竣工年
2021年
備考
設計JV:東畑建築事務所・エイコー技術コンサルタント設計共同体

福岡市立照葉北小学校

設計コンセプト

アイランドシティの住宅開発に伴い、既設小学校の児童数が大幅に増加していることから、既設小中連携校との「2小1中の連携教育」の方針を基に新設された小学校です。新設・既設学校の敷地を隔てる道路上空を連絡通路でつなぎ、接続する校舎2階に様々な用途に利用できる階段教室や多目的室を配置することで、児童・生徒や職員の連携と交流が可能な計画としています。トイレを対象に児童とワークショップを行い、意見をプランや家具に反映し、自然をテーマに児童から募集した絵画で壁面をデザインしています。自然エネルギーの活用や環境負荷低減などの取組みも行い、環境共生都市を目指すアイランドシティに相応しい学校づくりを行っています。

設計室
井田 真広

設計コンセプト

校舎はRC造より工期を短縮でき、軟弱な埋立地盤へ設置する杭の負担を軽減できることなど、総合的に判断してメリットの多い鉄骨造を採用しています。体育館は床下を全面ピットとし、設備面ではクール・ヒートチューブとして利用し、構造面では排土重量と建物重量をバランスさせたフローティング基礎として杭を無くしています。道路上空に設けた連絡通路は33mのロングスパンが必要で鉄骨トラス構造とすることで実現しています。

構造設計室
松岡 豊

設計概要

発注者
福岡市
所在地
福岡市
用途
小学校
構造・階数
鉄骨造 / 鉄筋コンクリート造・4F
延床面積
10,757㎡
竣工年
2018年
備考
設計JV:匠建築研究所

方針03POLICY地域に根ざすものづくり

交流文化拠点の創出

京都府立京都スタジアム 
サンガスタジアム by KYOCERA

設計コンセプト

臨場感溢れる最高の観戦環境の創出、周辺環境への影響の最少化、ライフサイクルコスト低減を実現する「みんなの笑顔きらめく"コンパクトスタジアム”」をコンセプトに計画しました。敷地形状に合わせて四隅を大きく切り取った八角形のスタンドには、どこからでも観やすい観客席を効率的に配置し、歓声が響く大屋根は全ての観客席を覆い、スタンド先端から2m突き出すことで雨天時でも快適な環境を創出しています。高さを抑えた多面体の構成や台形のシルエットは、亀岡盆地の山並み風景との調和を図っています。スタンド下部スペースを生かして多彩なにぎわい施設を外向きに配置し、日常的に楽しめるスタジアムを実現しています。

設計室
根木 和人

設計コンセプト

スタンド架構は純ラーメン形式のRC造としており、客席部分はプレキャスト段床で構築しています。屋根は片持ち梁形式の一方向跳出しトラスで構成しており、観客の視認性に配慮して、サイドスタンド部分は観客席後方の柱とバックステイで片持ち梁を支持し、コーナー部分は各スタンドに支持するスパン55.5mのメガトラスで支持しています。基礎はセメントミルク等の固化材を使用しない鋼管杭を用いた回転貫入工法を採用し、環境に配慮しました。

構造設計室
山本 敦

設計コンセプト

競技用照明は、スタジアム標準の1500ルクスを確保する計画とし、将来2000ルクスまで増設可能な電源をキャットウォークに確保しています。また競技用照明は、停電時に発電機から送電可能となるまでのブラックアウトを避けるため、UPS系統や小出力発電機自律運転系統を設け、完全にあかりが消失しない計画としています。
その他の設備として、525インチ大型映像2基や帯状映像、音響設備を設ける計画としています。

設備設計室
(電気)
酒田 尚志

設計コンセプト

本スタジアムは試合開催時と開催時以外の使用人数差が大きいため、水槽は地上FRP製の上水用受水槽、地下躯体利用の雑用水槽に分けています。上水用受水槽は水圧センサーによる水位変更を可能なシステムとすることで、貯水量の変更をできるようにしています。一部のトイレ洗浄水は雨水利用も行っており、適切な水使用を行えるように配慮しました。

設備設計室
(機械)
工藤 征志

設計概要

発注者
京都府
所在地
京都府亀岡市
用途
球技場 / 店舗 / スポーツ練習場
構造・階数
鉄筋コンクリート造 / 鉄骨造・4F
延床面積
35,601㎡
竣工年
2019年
備考
収容人数:21,600人

受賞

  • 【2023】第6回スポーツファシリティーズ大賞(スポーツ庁長官賞 施設計画部門)

香美市立図書館かみーる

設計コンセプト

四国山脈を抜け、車窓からの視界が一気に広がると、一枚の紙を折り込んだような有機的な曲線が現れます。雄大な山間や田園風景に調和する屋根形状と、アンパンマン列車で有名なJR四国土讃線を望む、地域に開かれた図書館を目指しました。6つの円弧に沿って折り曲げられた谷のない屋根は、スチールと香美市産木材によるハイブリッド構造で支えられています。形態は内部にも表れて、見通しよい空間にゆるやかな領域性を与え、広さや高さの異なる多様なスペースを生み出しています。書架、家具、ルーバー、建具や床(TOKYO2020リユース材)など、目に映る全ての木部を市産材で調達し、木の香るまち香美市の新しいシンボルが実現しました。

設計室
大西 広朗

設計コンセプト

各エリアを形づくる円弧状の壁面書架は耐震壁付ラーメン架構(RC造)とし、建物全体にバランスよく配した強固な構造とすることで、屋根への負担を軽減し、架構をスリム化しました。屋根架構は組立精度と加工性を確保するため、円弧屋根を含む外周部を鉄骨造とし、円弧屋根は正円を傾けた2次元(平面)で構成しました。円弧屋根同士を繋ぐ中央部分は香美市産のスギ集成材(県内加工が可能な断面:120x240mm)の合せ梁をトラス状に配置することで滑らかな多面体の屋根を構成しました。

構造設計室
西槇 毅

設計コンセプト

図書館中央の通路に総数93台配置したペンダント照明には耐震補強用振れ止めを設置しました。最小の取付数で最大の効果が得られるよう取付角度の検証を行いました。構造的に最も振れ止め効果が得られる45°をもとに、隣合う器具の干渉を考慮して角度を設定しました。また、器具吊下げワイヤーと同素材を使用し、極力振止めの存在感を抑えるよう配慮しました。建物の安全性を確保しつつ、照明計画のテーマである「形態に寄り添い、浮遊するような光」を実現しました。

設備設計室(電気)
細田 陽子

設計コンセプト

窓面積が大きく、全方位に開かれた図書館となっているため、インテリア負荷用の空調とペリメーター負荷用の空調を別々の方式とし、ペリメーター用の対策として外周部にダクトピットを設置する床吹出方式としました。3Dモデルを使用し温熱環境のシュミレーションを行い、制気口の設置場所等について検証を行いました。また、外周部に室外機を分散して設置する等、設備スペースの省スペース化についても検討しました。

設備設計室(機械)
安本 浩江

設計コンセプト

複雑な屋根形状を実現するために、鉄骨3Dモデルを製作し、測定点ごとの机上値を設定しました。施工に先立ち、原寸モックアップを製作し、レベル管理方法や母屋取付ピースの留め方、野地板ジョイント部の調整、水の流れなどを可視化して一つずつ確認を行いました。実際の施工時にも、柱・梁・母屋などの各ポイントを全て3軸の座標管理としました。3つの円ごとに分割し、それぞれを接続して本締めを行い、鉄骨部のレベル測定を実施しました。

監理室
樫原 雅民

設計概要

発注者
香美市
所在地
高知県香美市
用途
図書館
構造・階数
鉄筋コンクリート造/鉄骨造/木造/耐震・1F
延床面積
1,653.95m2
竣工年
2022年
備考
開架6.5万冊 閉架3.5万冊

受賞

  • 【2023】第8回高知県建築文化賞(優秀賞)
  • 【2023】ウッドデザイン賞2023 建築・空間分野 ハートフルデザイン部門
  • 【2023】第21回高知県木の文化賞(令和5年度/木造建築物及び木造建造物の部)
  • 【2023】令和5年度木材利用優良施設等コンクール(木材利用推進中央協議会会長賞)
  • 【2023】第57回日本サインデザイン賞入選、四国地区デザイン賞
  • 【2023】2023年照明施設賞

岩槻人形博物館 
にぎわい交流館いわつき

設計コンセプト

岩槻人形博物館は、近代の人形産業を支えた岩槻の地から、人形文化を発信していくミュージアムです。にぎわい交流館いわつきは、来街者や区民が自由に過ごせるカフェや学習・体験機能を有する施設です。広場をはさんで向かい合う岩槻人形博物館とにぎわい交流館いわつきは、どちらも岩槻のまちに多く見られる町家や武家屋敷の意匠と調和する切妻屋根としました。2つの建物で囲われた広場は、毎年行われる人形祭りの会場などに利用され、広場を望む建物の回廊や軒下は来館者のためのギャラリーとなります。

設計室
野村 祥平

設計コンセプト

岩槻人形博物館は、6.0m×8.4mと8.4m×6.0mを基本グリッドとし、16.8m×42.0mと20.4m×55.2mの2つの矩形を組み合わせた平面形状です。構造種別は鉄筋コンクリート構造と鉄骨造との複合構造。展示室を無柱空間とするため、PC梁を採用することで16.8mの大スパンを実現しています。
にぎわい交流館いわつきは、X方向が3.0m×4スパン、Y方向が6.0m×7スパンの整形な平面形状です。構造種別は鉄骨造。架構形式は、X方向がブレース架構、Y方向がラーメン架構としています。

構造設計室
大城 達彦

設計コンセプト

街中においては、情報量が少なくなった夜間の方が、記憶に残る景観を創れると考えています。本計画では、インテリアのための灯りではなく、「街灯り」をコンセプトとした建築照明を計画しました。
妻面の軒裏を照らすアッパーライトが、軒の連なりを印象的に演出し、新しい街の景観を創り出します。2つの施設をつなぐ回廊の柱には、燭台をモチーフとしたブラケットライトを設け、軒天の木製ルーバーを照らします。連続する柔らかな光が、来館者のアプローチ空間を演出します。

設備設計室
(電気)
山﨑 泰生

設計概要(岩槻人形博物館)

発注者
さいたま市
所在地
さいたま市
用途
博物館
構造・階数
鉄筋コンクリート造・1F
延床面積
2,153m2
竣工年
2020年
備考
既製杭

設計概要(にぎわい交流館いわつき)

発注者
さいたま市
所在地
さいたま市
用途
集会場 / 飲食店
構造・階数
鉄骨造・2F
延床面積
821㎡
竣工年
2020年

リニモテラス公益施設

設計コンセプト

『新たなつながりをデザインする場』をコンセプトにした公設民営の公益施設です。コンセプトは「大きな廊下」に幾つかの「小さな部屋」が連なる特徴的な平面形によく現れています。現しの木組みに包まれた長くて大きな大廊下は気積が大きく開放的で、ふらっと気軽に立ち寄りやすい雰囲気をつくり、老若男女様々な世代の市民の交流の場となっている。明確な目的を持たない利用者であっても、様々な利用者の活動に触れることで、何か新たなことにチャレンジをしてみようというきっかけが得られる場になっています。個性を持った小さな部屋は深化した活動を参加者でじっくり行う場で、木製建具を開け放ち、その活動が大廊下ににじみ出ることで、活動の連鎖やつながりの連鎖が起こる場になっています。

設計室
久保 久志

設計コンセプト

スギ・ヒノキの国産製材の構造材としての有効利用を目指し、小断面の製材で構成する架構計画による木造平屋建ての在来軸組工法としています。大きなラチス状のトラス架構を組み、また水平力を大廊下に接続する付属棟に負担させることで、内側柱の接地する数を減らし、窮屈さの軽減図っています。ラチスフレームの形状は、大廊下に接続する各小部屋の家型形状と連動し、内側のラチスフレームが押し出され、小部屋部分が生まれているような構成となっています。

構造設計室
中牟田 昌慶

設計概要

発注者
長久手市
所在地
愛知県長久手市
用途
事務所/飲食店
構造・階数
木造・1F
延床面積
383.40㎡
竣工年
2021年
備考
ナノメートルアーキテクチャーとの協働設計

受賞

  • 【2022】第54回中部建築賞 入選
  • 【2022】2022年度グッドデザイン賞
  • 【2022】第25回木材活用コンクール 木材活用賞
  • 【2022】第13回建築コンクール「さまよう建築」優秀賞
  • 【2022】第29回愛知まちなみ建築賞
  • 【2021】ウッドデザイン賞2021ソーシャルデザイン部門入賞

高砂市庁舎

設計コンセプト

市政が身近に感じられ、ふと立ち寄ってみたくなる開かれた庁舎を実現する交流の軸「通り抜けのみち」がこの計画の骨格をなしています。その昔中洲であったことで形成された鋭角に交差する2つの道路に接した三角形の敷地を「みち」は南北に貫きます。
設計中、旧庁舎の改善点だけでなく、求められる将来像についてリアルな声の抽出を図りました。旧庁舎にあった「あいぽっど」と呼ばれていた小さなギャラリースペースを市民、そして職員も愛しているという声を受け、「みち」に面する分庁舎1階中央に、展示だけでなくちょっとした団欒にも利用可能な「多目的スペース」を設けました。ここを中心に気軽に立ち寄れる庁舎の具現化に努めました。

設計室
松本 和也

設計コンセプト

高砂市庁舎では防災に特に配慮した設計としています。敷地は海から近く、昔は中洲であったことから、地震時には浸水や液状化の可能性がありました。そのため、高さ2mの盛土を行い、その上に庁舎を建てることで床上浸水を防いでいます。
液状化については砂杭や格子状配置の地盤改良で対策を行っています。また大地震時にも庁舎機能を維持するため、免震および付加制振構造を採用し、建物の損傷を防ぐ設計としています。

構造設計室
山本 源人

設計コンセプト

本計画は既存庁舎を使用しつつ現地で4年間に及ぶ建替計画を行うため、工程毎の安全性や既存庁舎の居住・執務環境等に十分配慮をしながらの工事でありました。
新庁舎の免震構造のクリアランスを水平・鉛直共確実に確保し、免震配管継手廻り等の躯体寸法に影響する部位は早期に確認。免震装置下部ベースプレート下のコンクリートの打設方法、空気穴の位置・個数を検討し十分な充填性を確保しました。市民の皆様に幅広く活用されることを願っております。

監理室
大野 修

設計概要

発注者
高砂市
所在地
兵庫県高砂市
用途
庁舎
構造・階数
鉄骨造/耐震/免震・4F
延床面積
13,636.13㎡
竣工年
2022年
備考
本庁舎→免震構造、分庁舎→耐震構造(付加制振構造)、その他→耐震構造

善通寺市庁舎・図書館

設計コンセプト

計画建物は国の重要文化財に隣接して建つ、市庁舎と図書館の複合施設です。多くの市民利用が想定される市庁舎の市民サービス機能を1階に、図書館を2階に配置し、それぞれをつなぐ吹抜けを設けるなど、積極的な相互利用を促す計画としています。また、来庁者のほか、市職員の資料調査やリフレッシュなどの日常的な図書館利用が可能となるため、市庁舎の執務環境の向上にも寄与しています。2階図書館に面する屋外テラス空間である「ステップガーデン」からは、周囲の風景を眺めながら読書やランチを楽しめる他、外部からも利用できる計画とすることで、2階図書館へのアプローチ空間や建物が建つ公園の施設としても利用できる計画としています。

設計室
木村 慎司

設計コンセプト

S造による純ラーメン構造の採用によりフレキシブルな空間を実現すると共に、 庇と一体化した現場打ちRC造による外壁とすることで、コスト合理性、耐久性、メンテナンス性等に配慮しています。外壁は横連窓等で各階の縁を切ることで建物の層間変形に追従できる計画とすると共に、ひび割れ抑制に配慮したディテールの採用、精度確保のための施工手順をモックアップで確認する等により、S造へのRC外壁の採用を実現しています。

構造設計室
森川 翔平

設計コンセプト

旧庁舎ではカラーフィルターで行っていた、色とあかりで啓蒙するライトアップキャンペーン対応を庁舎建替えを機に、敷地内の重要文化財をフルカラーLEDにてライトアップする計画としました。フルカラーLEDの採用によりライトアップキャンペーンに加え、イベントに合わせた様々な色彩パターンも設定可能としています。2階図書館と4階議場は間接照明を主体とすることで、柔らかなあかりによる親しみやすい空間としています。

設備設計室
(電気)
酒田 尚志

設計コンセプト

天井が高い大空間にて構成される1・2階は、効率性・居住性に配慮し、床からの空調を主としています。比較的負荷の少ない1階ロビーには床輻射空調を、職員が長時間過ごす執務エリアにはドラフトを抑えた床染み出し空調とする等、場所の特性に合わせた方式としています。2階図書館については、書架巾木部分を利用した床吹出空調とし、天井に機器やダクト・配管が出ない計画とすることで、インテリアと調和した計画としています。

設備設計室
(機械)
工藤 征志

設計コンセプト

本物件の施主御担当者の方は、現場・施工方法を考えた単価構成を気にされる方でした。よって、単価等の質疑に関しては施工を考えた場合と基準通りに考えた場合の差異、自分の考える単価根拠を持って説明をし、密なコミュニケーションを行うことで信頼関係を築く事に特に気を付けました。その甲斐もあり現場が終わってからも「他物件の事なんだけどちょっと教えて」と相談いただける様な信頼関係を築くことができました。

コスト計画室
木原 英生

設計コンセプト

今回計画は建物に加えて、広大な敷地全体に及ぶ外構工事が計画の特徴の一つでした。駐車場部分では、極力水たまりが発生しないようにレベルの管理を路床・路盤・舗装の各段階で重点的に行っております。また、都市公園となる部分については、既存樹木を生かしながら外構整備を行う必要があったため、極力根を傷めないように施主・施工者と共に施工前の打合せを入念に行い、施工時も常に根の状態を確認しながら工事を行っています。

監理室
樫原 雅民

設計概要

発注者
善通寺市
所在地
香川県善通寺市
用途
庁舎 図書館
構造・階数
鉄骨造/耐震・4F
延床面積
9,954.65㎡(全体10,333.13㎡)
竣工年
2022年
備考
【図書館の蔵書数】約150,000冊