一対一で的と向き合える場

関西大学 弓道場

設計コンセプト

弓道とは、和弓で矢を射て、的(まと)にあてる一連の所作を通して、礼節を学び、心身を鍛練する日本の武道です。また、武道としてだけではなく、今でも神事や祭りの際にも用いられる日本の伝統文化でもあります。1967年に竣工した関西大学の旧弓道場は、45年以上もの間、体育の授業や弓道部の活動拠点として多くの人々に大切に使われ、その役目を終えました。
新弓道場の計画においては、これまでの懸案事項であった、「安全性の向上」「効率的な練習環境の整備」「近隣住宅への配慮」をすべて解決した上で、的と一対一で向き合える場を目指しました。射場は9人が整然と並んで同時に射ることができる広さを確保し、矢道(的までの行程)の三方を全て黒い壁で囲い込みました。これにより、矢の飛び出しを防ぎ、黒い壁の中に、白い的だけを浮かび上がらせる計画としています。また、矢道を全面人工芝化することで、日常のメンテナンスを不要としながらも、青々とした芝生の上で、弓道に専念できる場を実現しています。

建物概要

発注者 学校法人 関西大学
所在地 大阪府吹田市
用 途 大学(弓道場)
構造・階数 鉄骨造・1F
延床面積 227㎡
竣工年 2013年
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