「こころの教育」を包み込む建築群

学校法人武蔵野東学園 北原記念館

設計コンセプト

学校法人武蔵野東学園は、健常児と自閉症児が共に学びあう「混合教育」と、自閉症児の自立を目指した「生活療法」を最大の特色とする、こころの教育で名高い学校です。学園の創立40周年を機に、それまで積み重ねられてきた自閉症教育への思いとノウハウをひとつひとつ再検証しながら、学園の施設全体の再整備が行われました。
この学園では、卒業しても続く先生と家庭との関係が生徒や保護者の心の支えになっていることから、「いつまでも変わらない安心感」と「こどもに阿らず、優しくも毅然した姿で、成長していく人間の心をしっかり受け止めること」を施設の基本イメージとしました。施設内部は、自閉症児特有の繊細な感覚を大切にして組み立てられており、自閉症児どうしが影響しあい成長していく”育ちあい”の効果、自己肯定感(セルフエスティーム)や達成感へのサポート、視覚情報によるコミュニケーションが優位なことへの配慮、などが織り込まれています。こういった配慮が特殊な印象の施設環境を作ってしまわないようノーマライゼーションには特段の意を尽くしており、その結果、健常児ものびのび過ごせる環境になっています。

受賞

【2007】 こども環境学会デザイン奨励賞

建物概要

発注者 学校法人武蔵野東学園
所在地 東京都武蔵野市
用 途 小学校 / 寄宿舎
構造・階数 鉄筋コンクリート造 / 鉄骨造・5F / B1F
延床面積 5,104㎡
竣工年 2006年
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