BIM(Building Information Modeling)
本プロジェクトでは、クライアントやチーム内での早期の空間イメージ共有により設計をより円滑に進めるべく、BIM(Building Information Modeling)の設計手法を導入しています。設計時点では内外観のデザインシミューションとして活用し、着工後は材料の画像データを実際にマテリアルとしてリアルにレンダリングしたパースを70点以上作成し、プレゼンテーションすることによって内装材料や家具を選定しています。設計者自身が、内装の家具、備品に至るまでさまざまなパターンをモデリングし、実際の完成後とほぼ変わらないイメージをクライアントに提示することで、手戻りのない早期の材料や家具の決定に大いに役立ちました。 (右は、BIMによるシミュレーションを並べて示しています。)
多彩な研修機能に対応する明快な施設構成
一般研修機能は400名収容の大研修室から、さまざまな研修スタイルに対応できるように8、12、28、56、82人のユニット型の研修室とし、ユニットイメージを表現したボックス型の外観デザインとしました。グローバル研修ゾーンは一般研修ゾーンとは離隔し、グレード感も差別化を図り、エグゼクティブな雰囲気を感じられるように、内装は天然木壁面で統一し、家具も世界的に多くの人々に親しまれている時流に流されないものを配しました。
一般食堂は、西の「創知の庭」に向けて明るく開けた空間とし、気候の良い日には研修生が積極的にテラスやベンチに集って食事ができるように計画しました。グローバル食堂は東の「思索の庭」に向けて開けた空間とし、一般食堂と同様にテラス席を配しています。また、研修後の懇親の場としてパーティールームも和洋各1室配置しています。
設計+CM監修によるきめ細やかなインテリアデザイン
一般宿泊室は5カ月におよぶ新人MR導入教育などの長期研修に配慮し、親しみやすく優しいナチュラルなイメージのインテリアとし、グローバル宿泊室は、研修ゾーン同様一般宿泊室とは印象を変え、落ち着いた雰囲気でエグゼクティブ感の感じられるインテリアデザインとしました。館内には武田家とゆかりのある「画家・小磯良平」の絵画が数多く掲げられており、アカデミックな印象を与えています。また、各室名称もその絵画にちなんだ名称となっています。家具選定に関しても、設計+CM監修という体制で、幾度となくクライアントとの選定会議を開催し、実物を吟味した上で選定しています。