「継承」を意図した製品工場

辰馬本家酒造(株)
製品工場 「白鹿館」

設計コンセプト

辰馬本家酒造は1662年に創業され、「灘の名酒・白鹿」で知られる酒造会社です。今回の計画は既存の瓶詰工場「白鹿館」(昭和5年完成)の建替工事です。生産ラインを収める作業場は1・2階と3・4階に2層吹抜けの空間とし、HACCPに準拠した工場を計画しました。デザインについては、阪神・淡路大震災で倒壊するまでの1世紀にわたって数多くの銘酒を育み続けた「双子蔵」のデザインをモチーフとすることがクライアントの要望の1つであったため、特徴的なその屋根デザインをモチーフとし、生産ラインを見下ろすことのできる見学空間には、旧「白鹿館」に設置されていたステンドグラスや採光用ガラスなどを移設することにより、親しまれていた風景と伝統をいまに「継承」することを意図しました。建て替えに伴い、新工場には「白鹿館」の名が「継承」されることとなりました。

建物概要

発注者 辰馬本家酒造(株)
所在地 兵庫県西宮市
用 途 工場
構造・階数 鉄骨鉄筋コンクリート造・5F
延床面積 13,866 ㎡
竣工年 2010年
備 考 撮影:時空アート
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