関西大学北陽高等学校・中学校 総合体育館

キャンパスイメージの一新

関西大学北陽高等学校・中学校 総合体育館

設計コンセプト

関西大学北陽高等学校・中学校は、2010年から男女共学の中高一貫校として新たなスタートを切っており、キャンパスリニューアルの一環として今回の体育館新設とグラウンドの全面人工芝化を行いました。敷地は、東海道新幹線と私鉄に隣接しており、1日2万人の人目に触れます。この立地条件を最大限活かし、これを機に「キャンパスイメージの一新」という明確なメッセージを内外に発信することが重要であると考えました。
外観は、密集市街地の種々雑多な様相とのコントラストを図り、無駄を削いだミニマルなデザインとしました。また、フィールドの緑とトラックの看に一際映えるよう、色彩はモノトーンで統一しています。

建物概要

発注者 学校法人 関西大学
所在地 大阪市東淀川
用 途 学校 / 体育館
構造・階数 鉄骨造・4F
延床面積 7935㎡
竣工年 2014年
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インタラクティブな場の創出

キャンパス整備においては、生徒の居場所を新たに創出することも重要なテーマであります。
ここでは、体育館とグラウンドを一体化・融合化することで、新たな関係性や交流を生み出すことを試みました。体育館の足回りに、移動空間にも憩いの場にもなる外部化された軒下空間(クラブデッキ)を巡らせ、人工芝グラウンドとの問に「観る・観られる」といったインタラクティブな関係を創出しました。このクラブデッキは、立体的な回遊動線でもあり、グラウンドを観ながら、外部から3階アリーナまで辿り着ける構成としています。また、壁面から大きく張り出したガラスのボックスには、ホワイエと教官室を内包しており、ここからキャンパス全体を見渡せる計画となっています。
上/クラブデッキ 下/エントランスホール
北面外観

積層コンプレックスアリーナ

新体育館は、1,300人が収容できる大ホール兼アリーナの他、25m室内温水プール、柔道場、武道場、トレーニンクルーム、部室、室内ランニンク遠路等、さまざまな機能を完備したコンプレックスアリーナとなっています。
バスケットコート3面分のアリーナは、50m×32mの大平面となるため、3階まで持ち上げ、その他の諸機能を1,2階に集約する構成としている。アリーナを積層することで、外部空間である人工芝フィールドを最大化することができ、限られた敷地の中でサッカー兼ラグビーコートの確保が可能となりました。
安全面では、アリーナと室内温水プールといった大空間には天井を一切設けず、地震時の天井落下の不安を払拭した安心・安全の教育環境を実現しています。
環境面では、アリーナと室内温水プールで居住域空調を行う等、エコキャンパスとして約20%の省エネ効果を試算しています。
大ホール兼アリーナ
温水プール