
就学前施設の設計に当たり留意しなければならないことは、当の子どもたちに注目することはもとより、彼らを守り育てるべき人たち、すなわち親、保育士、地域にとってその施設がどうあるべきかを忘れてはならないことにありあます。保育士に施設管理において負担をかけない、親が預けるに足る十分な安全性が確保でき、地域にも認識される施設でなければならない。一方で、子どもたちにとっては、変化に富んだ楽しい空間でなければならない。
段差のない保育室や、殺菌された安全な砂場、隠れる所のない遊戯室が本当に良いのか。わたしたちはこれからも物言わぬ可愛い依頼者の立場に立ち、物言う依頼者との間でバランスを保ちつつ、子どもも保護者も共に育つことのできる施設づくりとそのプロセスを大切にしていきたいと考えています。