企業イメージと地域環境の向上を担うランドマーク

ピックアップ

エクセディ新本館ビル

設計コンセプト

世界有数のシェアを誇る自動車駆動系装置製造企業の新本社ビルです。世界各国に製造拠点を有し、各国有名自動車メーカーへ製品供給しているグローバル企業としての総本山となることを目的としています。主要製品のクラッチ・トルクコンバータは様々な役割を持つディスク状パーツが組合わされ動力を伝える重要な装置で決して意図的な装飾は施されず性能を重視することによって機能美が生まれてきます。ビル外観は、装飾的要素を極力廃した複数のパーツを組み合わすことで建物としてひとつの纏まった特徴あるシルエットを生みだし、社会へ卓越した技術を伝達することが感じられるイメージを表しています。幅47m×高さ57m×厚さ0.3~1.2mのディスク状ソリッドの集合体とガラスボックスの重なり合うシルエットが周辺地域・高速道路・鉄道からの景色においてランドマークとして際立った存在となっています。

受賞

【2012】 第25回日経ニューオフィス賞 近畿ニューオフィス推進賞(近畿経済産業局長賞)
【2012】 平成24年度(第6回)大阪サステナブル建築賞(大阪建築環境配慮賞)大阪府知事賞
【2012】 照明学会 平成24年照明普及賞

建物概要

発注者 株式会社エクセディ
所在地 大阪府寝屋川市
用 途 事務所(本社+ホール)
構造・階数 鉄骨造・11F
延床面積 12,570 ㎡
竣工年 2012年
備 考 CASBEE(大阪府)「Sランク」
撮影:(株)エスエス大阪
← 実績一覧へ戻る

ランドマーク:ディスク状形態の集合体

主要製品であるクラッチ・トルクコンバータは様々な役割りを持つディスク状のパーツが組み合わされ動力を伝える重要な装置であり、決して意図的な装飾は施されず性能を重視することによって、機能美が生まれてきます。 新本社では製品と同じく、様々な役割りを持つ優秀な人材が集結してひとつの英知が育まれ、大きな企業パワーを世界に伝達します。装飾的要素を極力廃した複数のパーツを組み合わすことで建物としてひとつの纏まった特徴あるシルエットを生みだし、その中の透明な空間で流体のように社員が動き・交流することで社会へ卓越した技術を伝達することが感じられることを意識しました。幅47m×高さ57m×厚さ0.3~1.2mのディスク状ソリッドの集合体とガラスボックスのシルエットは周辺地域・高速道路・公共交通機関からの景色においてランドマークビルとして際立った存在となっています。
東側外装詳細
トルクコンバータ

大規模空間とワンルームオフィスの合築

本社屋と同一建物内に250人固定座席会議ホールを計画するため17.4m×32.4mの無柱空間を確保しました。桁行外側に上下階空間が一体化する吹抜けのあるフロアを配置しています。ホールはやや扁平な平面に扇形に固定座席を配置することで、プレゼンターの視認性に支障が生じないように配慮しています。二画面同時映写VPのほか、世界の賓客・社員召集対応としての同時通訳機能、海外拠点とを結ぶTV会議システム、会議映像記録設備等を装備しています。 基準階事務室はホール同様規模で、四方に見通しが良いワンルーム方式で一般執務とフォーマルコミュニケーションエリアを混在配置させ、2層で一対の吹抜け空間にはインフォーマルなコミュニケーションスペースを設けることで、様々な執務シーンにおける社員の創造的で良好な摩擦環境を生み出しています。
10階役員執務室
2階ホール

明るく透明感のある執務空間

建物を東西配置とし、南北面の床面近くまでの大きな開口部はオフィスフロアに明るい開放感の高い執務環境を創りだしています。また4階からは2層毎の吹抜け空間が立体的にも見通しを良くし、部署間の垣根を越えた社内交流を促進・活発化する役割を担っています。一般執務・ミーティングエリアは濃グレーと白を基調としたシンプルでメリハリのある落ち着いた環境とし、コミュニケーション・リフレッシュエリアは天然木仕様のOAフロアで自然の温かみ・優しさを感じる環境としています。
外観デザインを取り込んだインテリアディスク形態が重なり・合わさったイメージを東西の軸線を強調した床や天井のインテリア素材で表現しています。基本ワンルーム空間であることからアイキャッチとなる壁面が少ないため、自然素材や手作り感の高い材料を用いることで印象に残るが飽きの来ないインテリア空間となるように心掛けました。
コミュニケーションスペースと執務室

細やかな環境配慮対応(環境配慮図参照)

事業計画の初期段階から積極的な環境配慮の取組を掲げ、新本社の利用運営を確認しながら日常的な利便性などに反映するきめ細かな配慮項目を採用しました。結果、CO2:約200t/年(約-15%)、ランニングコスト:約-20%が削減可能となりました。
海外拠点もしくは新本社の被災時においても事業運営拠点として機能するために、遠隔情報通信設備を装備し、耐震性の向上とインフラ途絶時にも即応できる防災機能設備を有しています。併せて隣接する幹線道路沿い所有地を、公開性のある防災広場としても機能する緑化環境広場として整備し、総合的評価で大阪府CASBEE「Sランク」となっています。

①高効率設備機器
 エネルギー利用効率の高い設備システム
②太陽光発電パネル
③太陽光発電ガラス
 建築外装材と一体化した、自然エネルギー利用装置(ECOの見える化)
④Low-e複層ガラス
 南面:遮熱タイプ、北面:断熱タイプ
⑤太陽光照度センサー制御開閉ブラインド
⑥自然換気システム組込みカーテンウォール
 中間期の外気導入、ナイトパージによる空調運転省エネ化
⑦緑化・ウッドデッキテラスによる屋上遮熱効果
⑧自然換気併用のハイブリッド空調システム
⑨全館LED照明
⑩照度・人感センサーによる照明の点灯・消灯制御
⑪人感センサーによる照明制御連動の個別空調
⑫風力+太陽光発電ハイブリッド屋外照明灯
⑬ECO情報表示システム
 社員・外来者へのECO活動啓蒙
⑭クールヒートピット
 地熱活用の大空間空調(1・2階)の省エネ化
⑮雨水・中水貯留水槽
 便所洗浄水・植栽灌水利用による節水
環境配慮計画図