最近の大学の傾向や当社の設計・監理実績をご紹介します。
国公立大学、私立大学、キャンパス計画、図書館、研究所等

次世代を担う人づくり

次世代を担う人づくり  近年、大学を取り巻く環境は非常に厳しく、18歳人口の減少で大学全入時代を迎え、学生獲得競争は激しくなっています。もともと教育というのは高邁な目的を持ち、大学は特に高度な専門性を持った研究・教育をするところであると位置付けられていました。
しかしながら、最近の少子化と大学進学の大衆化で、大学のあり方は大きく変貌しています。大学進学率が半数を超える状況では、昔のように研究をベースに教育するだけでは、立ち行かなくなっています。社会の変化に柔軟に対応できる教養、社会の要請に機敏に応えられる専門性を備える人材育成が必要とされています。

 その意味において、大学は現実社会の入口・接点としての場といえます。キャンパス計画や建築計画にあたって、当社はさまざまな研究施設・専門機関の実績を最大限に生かし、専門へのプロローグとしで快適な施設づくりを目指しています。
また、人と人が自然に触れ合える空間づくりを心掛け、人が人を導く場として、専門力をもつ教員と学生が触れ合い、同じ意識を持った学生同士が切磋琢磨する場を創出し、次世代を担う学生がいきいきと過ごせるキャンパス計画を創造し続けていきたいと考えています。

新しい知をデザインする

 大学において常に求められるものは、最先端の研究・学習環境を整備することであります。快適でフレキシブルな研究室・講義室・実験室・図書館などの機能を満足させた上で、私たちが常に提案するのは、充実したオープンスぺ-スです。今まで、ラウンジ、カフェ、広場、屋上庭園など、居心地の良い学生の居場所・交流スペースを提供してきました。近年、オープンスぺ-スの性格もくつろぎのスぺ-スから学習のスペースに変化しています。友人との対話・交流だけでなく、個人としての自学自習、レポート作成、グループとしてのディスカッション、プレゼンテーションにも利用されます。

 ニーズに適したスケール、自然環境などの物理的条件を考慮し、無線LANや視聴覚設備の導入、空間に応じた照明や家具などの設備を整備することで、多種多様なオープンスペースを設置することができます。学生動線の結節点では、学部・学科を超えたオープン・ゼミを開催するなど、他分野との交流によって出会いが対話を生み、新たな研究テーマを見出す可能性もあります。対話による「知の集積」が新しい価値を創造するのです。
 

同志社大学今出川キャンパス等整備事業

同志社大学キャンパス計画

同志社大学キャンパス計画
今回の整備事業は、京田辺キャンパスを学習校地としていた文系学部の1・2年次生を 今出川に回帰させ、学部教育を一校地で一貫して行うことを目的としています。 今出川キャンパスはゼミナールを中心とした専門教育を展開する文系学部の教育拠点として「良心館」、 烏丸キャンパスには「志高館」を新築しました。 今出川キャンパス内の既存棟の耐震改修、重要文化財建物の復元改修及び外構整備などを含めて 「今出川キャンパス等整備事業」として新たな時代に対応した教育体制を展開することになります。

多摩大学25周年記念 T-Studio

多摩大学25周年記念 T-Studio

実学を実践するアカデミックな場の創出

多摩大学【多摩キャンパス】は、多摩ニュータウンの住宅地と丘陵地に囲まれたキャンパスです。キャンパス内に一歩足を踏み入れると、そこは成熟した緑に囲まれ、学業に没頭するのに十分魅力的な空間が広がりを見せています。その一方で駅前の開発から距離を置いたキャンパスであるため、学生街と呼ばれるような社会とのつながりを生む周辺環境が身近になく、キャンパス内においても学生や教職員が日常的に交流し、互いの経験や知識、意見の交換を積極的に行える場所がないため、活動(クラスター)の受け皿としての場を求める声が多く聞かれていました。
多摩大学は、産業社会において問題解決の最前線に立つ志人材(人物)を育てるために、社会とのつながりを積極的に取り入れ、地域社会で活躍する有識者を交えたマーケテイング・文章・図解・ICT・会計・言語などのさまざまな手法を駆使する最先端の問題解決学の実践を主とする実学を展開しています。
こうした二つの背景を受け、キャンパス内に学生や教職員をはじめ、地域の方々や実社会で活躍する有識者が活動(クラスター)を行える場・情報の共有を行える場・実学を実践し発信できる場を公共性の高いアカデミックな場(空間)として実現することを多摩大 学25周年記念事業にふさわしいテーマとして、新棟【T-Studio】の計画を進めることになりました。
  • 所在地 東京都多摩市
  • 用 途 大学
  • 竣工年 2014年

同志社大学 良心館

同志社大学 良心館

「志」を育むキャンパスづくり

今出川キャンパスの同志社中学校移転後の用地に、文科系学部の受け皿となる新校舎「良心館」が2013年4月に開校されました。「良心館」には地下1階に福利厚生施設を集積させ、2階から3階にわたって学生の自立的自発的学習活動を支援する設備として、日本最大級の(2,550㎡)のラーニングコモンズを設けています。また地階から4階まで大中小講義室が配置されています。既存施設とあわせ、ゼミナールを機軸に据えた専門教育を行う文系学部の教育拠点としてふさわしい環境が整いました。外壁には本レンガ中空積みを採用、同志社の特徴でもある組石造の風情を再現。同志社の重要文化財建物との調和を図るデザインを継承、景観保全に配慮しています。また烏丸通りに面して地域に開放され、学生の憩いの場となる今出川プラザや、キャンパス中央部にチャペルコート等の緑豊かなアメニティ空間を積極的につくり出しています。生まれ変わる烏丸沿いの景観が、地域と共生していく、開かれた同志社大学の姿を映し出すものと期待しています。本プロジェクトでは、キャンパス全体の景観整備も実施。重要文化財建物を中心に、同志社創世期の原風景を再生する等、歴史を有した魅力的なキャンパス空間の創出を目指しました。
受 賞
【2013】 英国BDAブリック賞 ベスト インターナショナルプロジェクト
【2014】 平成25年 照明普及賞
  • 所在地 京都市上京区
  • 用 途 大学
  • 竣工年 2013年