環 境Sustainable Architecture
東畑建築事務所がめざすサステナブル建築
2005年、弊社は業界に先駆け、環境に配慮した建築を探求する専属部署「環境計画室」を立ち上げました。以来、多くのプロジェクトにかかわり、環境配慮型建築を創り続けてきました。しかし、太陽光パネルの導入などハードウェアの整備だけでは、必ずしもサステナブル※なものになり得ていないこともわかってきました。(※:持続可能な、継続する)
※IPCC第5次評価報告書より、1861~1880年の平均気温よりも気温を2℃以内に抑えるためのデータ
サステナブル建築という言葉が、世の中に広まった1990年代、様々な環境への取組みが試行錯誤されました。しかし、建物の完成後、その取組みが、設計者の意図通りに使われ続けた事例は必ずしも多くありません。そこには、「つくり手」と「つかい手」の思い入れの違いが存在するのです。つまり、ハードウェアである環境装置を建物に取り付けるだけでは、決してサステナブル建築になり得ないのです。
ひとつひとつの建物が低減するCO2量は小さい・・・
しかし、その積み上げが大きな量となる・・・
大切なことは、つかい手とつくり手が、環境にやさしい取組みをどう建物に組み入れて、それをどう使っていくかのコンセンサスを形成すること。それが本当のサステナブル建築のキーであり、コンセンサスの形成が設計者に与えられた使命のひとつなのです。
自然は祖先から受け継いだものではなく、
子孫から借りているものである・・・
つかい手とつくり手の思いが創り込まれた環境にやさしい建築・・・それが、本当の意味のサステナブル建築ではないでしょうか。
■温熱環境への配慮
- ①教室外壁:内断熱+内装更新
- ②教室窓:ペアガラス化
- ③屋上:外断熱+防水更新
- ④日射調整庇(遮蔽+ライトシェルフ)
- ⑤バランス式自然換気窓
- ⑥屋上緑化
■環境教育との連携
- ⑭エコモニター
(エネルギー使用量を表示) - ⑮断熱比較壁
- ⑯エコ改修説明サイン
(各所に設置・児童が製作)
■自然エネルギーの活用
- ⑦雨水貯留槽→池の補給水、散水に利用
- ⑧風力発電装置(既存を移設)
- ⑨ペレットストーブ
- ⑩内部建具更新
(3連ガラス引戸で北側採光取込み)
・太陽光発電パネル(西渡り廊下屋根に設置)
■自然との共生
- ⑰グリーンカーテン
(取付フックを設置) - ⑱防砂林(既存樹移植)
・いのちの庭(ビオトープ、水田等)
■省エネ機器の採用
- ⑪LED照明(増築部すべて)
- ⑫高効率照明へ更新
- ⑬人感・照度センサー